調味料辞典(http://spice.kh23.com/flavor/archives/2005/10/post_213.html)
奥様ネット(http://www5d.biglobe.ne.jp/~okusama/spice/spice10.htm)
味噌料理レシピ(http://www.miso.or.jp/utility/cooking_nomal/index.html)
みそもしょうゆも”畑の肉”といわれるほど栄養価が高く評価される大豆が主な原料ですが、四訂日本食品標準成分表(科学技術庁資源調査会編)をみると、しょうゆはケチャップやソースと同じ「調味料及び香辛料類」の項目に 属しているのに対し、みそは豆腐と同じ「豆類」の項目に属しています。
これは、含まれている大豆たんぱく質量の違いによるものです。
みそとしょうゆのそれぞれ100グラム当たりのタンパク質の総量はさほど変わりはありませんが、みそには豊富な大豆タンパク質が含まれているのに対し、しょうゆの場合、大豆タンパク質と小麦タンパク質の割合がほぼ半々となるため、豆類の項目に含まれていないというわけです。
しかし、同じ大豆製品でも、豆腐100グラムは比較的簡単に食べられますが、みそ100グラムはとても1回に食べられる量ではありません。摂取する量が他の大豆食品と比べて少ないみそに、同じような栄養効果が期待できるかという疑問が生じても不思議ではありません。
大豆タンパク質の特徴として、質的には非常に優れている半面、煮たり煎ったりする調理を行っても消化吸収がよくならないという難点があります。
しかし、大豆がみそになる場合、製造過程において、この大豆タンパク質が酵素によって加水分解され、約60%がアミノ酸に、また、炭水化物はブドウ糖化します。
このように、大豆は「発酵・熟成」することによって、少量でも効率良く大豆タンパク質が体内に吸収できるのです。
ちなみに、みそ汁1杯に使用するみそ(淡色辛みそ)12グラムで、大豆タンパク質1.5グラムをとることができます。
私たちが一日に摂取したい大豆タンパク質は、もめん豆腐ならば、1/3丁(105グラム)、絹ごし豆腐ならば、1/2丁(140グラム)必要ですが、みその場合は大さじ2杯と1/2(45グラム)で足ります。
これは、みそ汁にして3〜4杯分。
これで、一食ごとに必ずみそ汁のついた”一汁一菜”の献立がよいとされる理由がわかると思います。
また、ご飯とみそ汁の組み合わせは、みそには米のタンパク質には少ないリジン、スオレニンといったアミノ酸が多く含まれているため、の組み合わせでアミノ酸のバランスがよくなり、タンパク質がさらに効率良く摂取できることもわかっています。
さらに、タンパク質だけでなく、大豆に含まれているリノール酸(不飽和脂肪酸)やサポニンには、血圧やコレステロールを下げる働きがあることや、みその脂溶性物質には、がん予防に効果がみられることなどが次々に明らかになっています。
「みそ汁は医者殺し」「みそ汁は朝の毒消し」など昔の人の言葉にもあるように、みそは現在も栄養学ばかりか、医学的見地から見ても高い評価を受けているのです。
みそは、その製造法の性質上、塩分が多いことがよくいわれますが、みそ汁にしたときの塩分摂取量はさほど多いものではありません。また、ナトリウムはカリウムと同時に摂取すると体外に排出されやすいため、カリウムを多く含む緑黄色野菜、芋類、海藻類をみそ汁の具に利用するのがよいわけです。

1.味噌によって起きた食中毒の報告は今日まで1例も見当たらない。
昭和23〜53年の31年間の患者発生状況をみると、990,595名で100万人近い人々が罹っているが、原因食別患者発生の項に味噌が原因となった報告は1例もない。
2.食塩濃度を異にした味噌と衛生細菌食塩濃度の異なる味噌(0,2.6,5.2,8.6,12.3%)に非病原大腸菌、病原大腸菌,非病原ブドー球菌,病原ブドー球菌,腸炎ビブリオ菌、を混入し,1週間後にそれらの生菌数を検査したら、すべての区で使った菌の全部が死滅していた。
味噌のpHは大腸菌、ブドー球菌の発育可能域の下限値に近く増殖条件として適当でない。水分活性値は無塩味噌でも0.903で使用した菌の増殖条件としては適当ではない。
3.無塩・低塩味噌の保管状態と衛生細菌
食塩濃度の異なる味噌3種類(0,6.4,11.2%)に非病原大腸菌、非病原ブドー球菌,各1株を混入し、袋詰めにし、密封したものと開放のままのものとを入れて試験した。
その結果、保存温度が高くなる程菌の死滅は早く、大腸菌の方がブドー球菌よりはるかに早く死滅した。
また、食塩濃度が高い程死滅するまでの日数が短くなり食塩濃度11.2%では大腸菌は2日以内、ブドー球菌では4日以内で死滅した。密封した方が開封したままのものより菌の死滅が早かった。
昔から味噌によって起きた食中毒の報告はなく、安全な食品として高く評価されていたが、最近味噌の菌学的安全性について心配する声が聞かれるようになってきた。
味噌中の食塩が安全性保持のために果たしている意義は大きいが、その他に水素イオン濃度(pH)生成アルコール(量)水分活性(Aw)などが重要な鍵を握り、単独か、または一部か全部が組み合わされて、衛生細菌の増殖抑制に働き更に食塩の濃度に比例して抑制力が増強することが明らかになった。
(醸造協会誌,76(12),821(1981)より抄録)
○ガンの予防
「味噌汁を飲む頻度が高いほど、胃ガンの発生率が低い」1981年、国立ガンセンター研究所の平山雄博士が発表した。これは発ガンと密接な関係がある変異性物質を味噌に含まれる酵母、乳酸菌、不飽和脂肪酸が抑制するためである。
○胃潰瘍の防止
味噌は胃の粘膜を守る。味噌汁を長く飲み続けることで胃や十二指腸の粘膜が守られ、潰瘍の予防になる。
○消化促進
大豆に含まれるたんぱく質は、吸収されにくい物質。しかしながら、味噌になる酵素過程で約30%が分解され、アミノ酸になっている。このため、消化吸収がたいへん良い。また、活性度の高い消化酵素を多く含むため、一緒にたべた食品の消化吸収も助ける。
○老化防止
老化の主な原因は、細胞の参加にある。血管、体細胞、脳細胞の過酸化物質の増加を抑制する。味噌に含まれる、ビタミンEやダイゼイン、サポニン、褐色色素などは、体内の酸化を防止する作用がある。
○整腸作用
味噌に含まれる食物繊維や微生物が働いて、腸内をきれいにし、腐敗菌や有害物質を対外へ排出する。
○コレステロールの抑制
大豆にはコレステロール対策に有効な成分が豊富に含まれている。サポニンは血清コレステロールを除く働きがある。
 古くから日本各地で生産されてきたしょうゆは、それぞれの地域の嗜好や醸造の歴史などにより、さまざまな個性を持っています。その種類は、日本農林規格(JAS)によって、こいくち、うすくち、たまり、さいしこみ、しろの5つに分類されています。
こいくち醤油
全国のしょうゆ消費量の約82%を占める、最も一般的なしょうゆ。塩味のほかに、深い旨味、まろやかな甘味、さわやかな酸味、味をひきしめる苦味を合わせ持っています。調理用、卓上用のどちらにも幅広く使える万能調味料です。
うすくち醤油
関西で生まれた色の淡いしょうゆで、全生産量の約15%を占めています。発酵と熟成をゆるやかにさせるため、食塩をこいくちより約1割多く使用。素材の持ち味を生かすために、色や香りを抑えたしょうゆです。炊きあわせやふくめ煮など、素材の色や風味を生かして仕上げる調理に使われます。
たまり醤油
主に中部地方で作られるしょうゆ。とろみと濃厚な旨味、独特な香りが特徴。古くから「刺身たまり」と呼ばれるように、寿司、刺身などの卓上用に使われるほか、加熱するときれいな赤身が出るため、照り焼きなどの調理用や、佃煮、せんべいなどの加工用にも使われます。
さいしこみ醤油
山口県を中心に山陰から九州地方にかけての特産しょうゆ。他のしょうゆは麹を食塩水で仕込むのに対ししょうゆで仕込むため、「さいしこみ」と呼ばれています。色、味、香りともに濃厚で、別名「甘露しょうゆ」とも言われ、刺身、寿司、冷奴など、おもに卓上でのつけ・かけ用に使われています。
しろ醤油
愛知県碧南地方で生まれ、うすくちよりもさらに淡い琥珀色のしょうゆ。味は淡泊ながら甘味が強く、独特の香りがあります。色の薄さと香りを生かした吸い物や、茶わん蒸しなどの料理のほか、せんべい、漬物などにも使用されます。
しょうゆは他の調味料とあわせることで、新たなおいしさを生み出すことができます。ここにあげたしょうゆベースのつゆやたれをマスターすれば、料理の幅がぐんと広がります。
しょうゆをベースとした調味料は、手軽に本格的な味が得られる調味料として大変便利な存在であることから、商品として多く販売されています。JASの規格ではしょうゆには入りませんが、しょうゆの仲間として主なものをご紹介します。
だしいり醤油
しょうゆにあらかじめかつお節、昆布などの旨味成分を合わせた簡便な調味料です。だししょうゆは、昆布しょうゆ、土佐しょうゆなどの名称で商品化され、つけ・かけ用から調理用まで幅広く使われています。
つゆ類
しょうゆに、ミリン、砂糖、だし、旨味調味料などを合わせたもので、めん類専用のつゆから、煮物、鍋物、天つゆなどにも使える汎用性の高いつゆまで、豊富に商品化されています。
たれ類
しょうゆに、風味原料や糖類、香辛料などを合わせ、調整したもの。しょうゆの色や香りが決め手になる蒲焼き、照り焼き、焼き鳥用のたれから、各種焼肉のたれ、すき焼きの割り下など、多種多様です。
ポン酢醤油
しょうゆと醸造酢をあわせたものから、だいだい、すだち、かぼすなど、香りの高い柑橘類の果汁を加えたもの、さらにだしの旨味をきかせたものまで、幅広く作られています。
ドレッシング醤油
フレンチドレッシングにしょうゆを加え、和風の味に仕立てたドレッシング。広く食卓で愛用されています。
 和食はもちろん、あらゆる料理に使用されているしょうゆ。下ごしらえに、調理に、仕上げに、しょうゆをちょっと加えるだけで、料理がグンとおいしくなります。そこには、確かな科学的根拠があり、昔から伝わる調理法がすべて理にかなったものだということに驚かされます。しょうゆをさらに効果的に使いこなすために、主な効果をご紹介しましょう。
●消臭効果
しょうゆをつけて刺身を食べるのは、味だけでなく生臭みを消す大きな働きがあるから。これは、しょうゆの中のアミノ酸の一種、メチオニンが変化したメチオノールという物質の働きによる、消臭効果です。日本料理の下ごしらえにある「しょうゆ洗い」は、この効果を利用して、魚や肉の臭みを消しているのです。
●加熱効果
蒲焼きや焼き鳥などの食欲をそそる香りは、しょうゆの中のアミノ酸と砂糖やミリンなどの糖分が加熱によりアミノカルボニル反応を起こし、メラノイジンという芳香物質ができるためです。アミノカルボニル反応は、美しい照りを出す働きもします。しょうゆの色と香りを生かした照り焼きなどは、まさにこの反応を利用したものです。
●靜菌効果
しょうゆには、適度な塩分やアルコール、有機酸などが含まれているため、大腸菌などの増殖を止めたり、死滅させる効果があります。しょうゆ漬や佃煮などは、この効果を利用して、日持ちをよくしています。
●対比効果
たとえば、甘い煮豆の仕上げに少量のしょうゆを加えると甘味がいっそう引き立ちます。このように、一方の味が強く、他方の味がごくわずかな場合、主体の味がより強く感じられるのが対比効果。おしるこや餡の仕上げに塩をひとつまみ入れるのと同じ効果です。
●抑制効果
浸かりすぎた漬物や塩鮭など、塩辛いものにしょうゆをたらすと、塩辛さが抑えられることがあります。これはしょうゆの中に含まれる有機酸類に、塩味をやわらげる力があるためです。このように、混ぜたときに一方あるいは両方の味が弱められることを抑制効果といいます。
●相乗効果
しょうゆの中のグルタミン酸と、かつお節の中のイノシン酸が働きあうと、深い旨味がつくりだされます。このように混ぜ合わせることにより、両方の味がともに非常に強められることを味の相乗効果と呼びます。そばつゆや天つゆなどが、このよい例です。

しょうゆの独特のおいしさは、「旨味」の成分はもちろん、「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」の5つの味のバランスによって作られています。それは、大豆と小麦に含まれる成分が、醸造期間中にさまざまな味や香りの成分に生まれ変わり、それらがそれぞれ作用しあって誕生したもの。調和のとれた味わいは、5つの味がオーケストラのように醸し出した「おいしさの賜物」なのです。
旨味
しょうゆの旨味は、大豆と小麦に含まれるたんぱく質が、麹菌の酵素で分解され、約20種類のアミノ酸に変化して生まれます。中でもグルタミン酸は、しょうゆの旨味の主役です。
塩味
しょうゆの塩分は、こいくちしょうゆで16〜17%。海水の約5〜6倍にもあたります。それほど塩辛く感じないのは、アミノ酸や乳酸などの成分が塩味をやわらげ、深みのある味わいを作りだしているからです。
甘味
しょうゆの甘味は、小麦のでんぷんが醸造中にブドウ糖に変化して生まれます。全体の味をやわらかくし、丸みをもたせる働きがあります。口に含むと、舌の先にこの甘味をほんのり感じます。
酸味
しょうゆの酸味は、乳酸菌の働きによってブドウ糖が変化して生まれます。こうして造られた有機酸類は、塩味をやわらげ、味をひきしめる働きをしています。
苦味
苦味成分もしょうゆの中には数種類含まれています。苦味を直接感じることはありませんが、「コク」を与えるかくし味的存在として、しょうゆの味をすっきりとひきしめています。
しょうゆのおいしさは、醸造過程における3種類の微生物のはたらきによって造られています。まず、「麹菌」は、いろいろな酵素を造りだし、原料である大豆のたんぱく質をベプチドやアミノ酸に分解、小麦に由来するでんぷんをブドウ糖に分解します。こうしてつくられた基本的な成分を乳酸や酢酸などの別の成分に変えるのが「乳酸菌」。しょうゆの味に深みを与えます。最後に登場する「酵母」は、糖分やアミノ酸からアルコールやいろいろな芳香成分をつくるもの。しょうゆらしい香りはこれによって醸し出されます。こうして、しょうゆの特徴である「色」「味」「香り」が完成。しょうゆが多くの人に愛される秘密は、ココにあります。
しょうゆの香りは、麹菌、酵母、乳酸菌などの微生物によって生まれます。本醸造しょうゆに含まれる香りの成分は、現在発見されているものだけでも300種類以上。これらは、特定の香りが目立ちすぎることなく、全体に調和してしょうゆの独特な香りをつくりだしています。この香りは、魚介類や肉類の生臭さを消すスパイスの働きを持ち、加熱すると香ばしさを生み出します。

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